管内カメラなど調査機器の充実した今の時代でも、マンションの排水管の中を、上から下までくまなく見て、全管きちんと状態を確認する、ということはかなり難しいのです。ただ難しいからといって調査もせず放置しているとどうなるでしょう。排水管の不具合や劣化の発見が遅れ大きなトラブルに育ってしまい、排水管を丸ごと交換しなければならないような、手痛い出費を生じさせかねません。
まとめると次のようになります。
これまでの一般的な調査では、カメラの構造上、マンション排水管の全体ではなく、ごく一部しか調査できませんでした。 マンション排水管の全部調査となると、一部住戸への長時間の入室とその日程調整さらにマンション全体の排水制限など、住戸の方への大きな負担が必要となっていました。
一部住戸内への長時間入室作業とは、部屋の壁/点検口を開口した後、さらにその中にある共用たて管のフタを開けて作業を行うなど工事的な作業が必要です。当然そのお部屋に住む方に大きな負担を強いてしまう、ことになります。
さらに壁の点検口を開ける前には、棚などを撤去するような作業も発生しかねません。あらかじめ棚の片づけをするなど居住者の方には、大変な迷惑と言えるでしょう。
手間の問題のほか点検口の場所も、お部屋のレイアウトによってクローゼットの中や寝室に存在することも珍しくありません。共用排水管のフタを開けると、他住戸の排水の臭いがお部屋に侵入して充満します。そのお部屋に住まわれている方には、その臭いは深刻な被害になります。
さらに共用たて管の内部はヘドロで汚れ、真っ黒な状態です。お部屋の中でそれほどの汚物に触れる作業を行うのなら、汚損を防ぐため厳重な養生作業が必要になります。それは、業者にも該当住戸の方にも、少なくない負担となります。一般的にはお部屋での共用たて管の掃除口を開けることはありません。
排水管全体の調査をするための入室作業は住戸の方、作業者にかなり大きな負担をかけるため 緊急時以外は行われることはありませんでした。よって排水管の全体調査はほぼ行われていません。
お部屋の作業がだめならと住戸以外から共用たて管へのアプローチ方法が実は存在します。建物屋上にある共用たて管の通気口からのアプローチです。多くの建物では、その屋上の通気口からカメラの挿入自体は可能です。ただ問題があります。本来通気口は清掃作業を行うために設けられていないことから、たて管全系統の1~2割程度が屋上付近で、真っ直ぐではなく曲がっています。
曲がりがある管の中に、カメラを挿入することは危険(中へ入っていかない。または、入っていったとしても、抜き出すことができなくなる)です。結果、挿入できない1~2割程度の管は、やはり住戸内のフタを外し、住戸内からカメラ挿入を行う、という手法をとらざるおえませんでした。
このように共用たて管へのアプローチはそれぞれの場所で多くの困難を抱えるため、気軽に出来ませんでした。当然のことながら、トラブルの起きていない平時の段階、予防の段階では共用たて管内へのカメラ調査を行う決断は気軽ではないゆえ誰も出来なかったのです。しかし、トラブルが発生した際には、すべてを巻き込み一大事であっても、建物全体のカメラ調査の断行が手遅れながら初めて可能になるのです。
「ガリレオサーチ」システムを駆使し、これまでの有事部分調査から定期全部調査へ。あらゆる方向から排水管の保全に必要とされるコスト、ストレスを削減します。
排水たて管通気口専用 カメラ挿入システム(新開発) | |
排水たて管通気口専用 複雑配管ホース・ケーブル挿入システム(新開発)
※洗浄ホース、カメラ用ケーブルどちらにも対応。 |
|
排水制限不要な排水たて管専用カメラ
特許出願中。複数超高層タワー物件にて5年の実績。 |
|
150m超えロングケーブル
高層タワーにも余裕をもって対応可能。 |
|
小型軽量巻き上げウインチ
※洗浄ホース、カメラ用ケーブルどちらにも対応。 |
業界最長水準挿入可能な共用よこ管専用推進力カメラ
多数管理会社物件にて10年実績。 |
ガリレオサーチシステムを使用して撮影した、たて管内部の映像をご覧ください。
建物全体の排水管内を手軽に観察出来るこのシステムで、排水管内の経年変化を定期的に観察可能です。結果、トラブル発生前の段階で排水管の早期修繕への対策が可能になります。
実はこの対策が手軽でない理由によって、これまではなかなか出来なかったのです。マンションのライフサイクルの中で避けて通ることのできない排水管の修繕には2種類あります。
1つ目は、既存の排水管を壊さず管内部に樹脂のコーテングを施す「管更生」という修繕方法です。比較的工事も軽く、コストもリーズナブルです。ただ、あまりに管の劣化が進行し管自体の強度が不足してしまうと、採用が困難になります。早期の劣化発見がキーワードです。※一部採用出来ない排水管も存在します。
2つ目は、「管更新」です。その名の通り、管自体を新しいものに入れ替える工事です。当然ながら、管の交換の際に住戸内の一部を解体する必要があるため、工事は大がかりで、また費用も割高になります。
コストに有利な修繕を行うためには、トラブル発生以前の段階での修繕意識が必要です。 修繕意識を持つためには排水管の状況を知る所から始まります。
建物全体の排水管内を気軽に観察出来るこのシステムで、排水管内のつまり箇所を見逃しません。調査によって発見されたつまり気味の部分は、深刻な汚水噴出事故を引き起こす前であれば排水管清掃によって簡単に解決できます。
定期的な排水管清掃を行っていても、排水管の中には汚れのほかフォークやリフォーム時に流れてしまった木片などが排水管内に引っ掛かり、つまりを誘発している事も珍しくありません。やはり排水管清掃だけでは足りず、定期的な目視観察が必要です。
他住戸の汚水が住戸内に噴出する事故はかなり深刻です。一旦起こってしまうと、様々な緊急工事が必要になります。溢れかえっているところを止める管通工事、汚水だらけになったお部屋を清掃する工事、汚水で変質したお部屋の内装を回復する工事など、復旧作業なる緊急工事は通常時の工事に比べ、大変高額になります。しかも、時を急ぐ必要から、工事の工法や材料を選択することはほぼ出来ません。
建物全体の排水管内を気軽に観察することが出来るこのシステムで、管内の汚れの進行スピード、汚れの度合い等を、建物全体で正確に把握できます。すると、排水管の清掃時期を正確に決定することが可能になります。
これまでの部分的な管内調査では大部分の管内状況が推測になるため出来なかった判断です。
また、新開発のたて管通気口専用ホース挿入システムによって、これまで困難であった住戸内と共用部の清掃時期を区別することができるため、それぞれ特性にあった清掃スパンの設定が可能です。これまでは住戸内入室作業によって共用たて管の清掃が必須であることから、お部屋の管内状況よりも共用部分の清掃タイミングが優先でした。
共用部のみとして初年度は立管を清掃した直後に調査。 数年後に汚れ具合の調査を行って清掃スパンを決める。(この時のみの作業) 清掃スパンに沿って清掃を行い直後に調査。以後、清掃スパンに沿って施工。